北緯5~7度に位置するここコタキナバルでは時期や天候などの条件が揃えば、南十字星を見ることもできます。
日本人にとっては有名な南十字星ですが、こちらの人たちはそれほど星座に興味がなく、南十字星に思い入れもないので、ガイドさんやホテルのスタッフに「サザンクロスは見えますか?」と聞いても「何それ???」と不思議な顔をされるのが普通。(southern crossの発音がカタカナ発音では全く通じないというのも一因)
自分で探そうにも、南十字星は全88星座の中でもっとも小さく、また近くに通称「ニセ十字」と呼ばれる紛らわしい十字型の星があるため、とても見つけにくい星座でもあります。
ここで探すとしたら南の夜空の地上付近なのですが、コタキナバルの南方にはクロッカー山脈がそびえ立ち、南の空を遮っていますので、コタキナバルの街からはまず見えません。 東側のタワウ、ラハダト、サンダカンやマブール、カパライ、タートルアイランドなどの島に行かれる方はチャンスです。ガラマ川のあるクリアス半島でも見えることがあります。キナバル山も山小屋より上なら場所によっては見えるかも(ちょうど頂上の背後が南になるので、山が邪魔して意外と見えにくい)。
また、天候や視界がよく南に満点の星空が開けていたとしても、北半球ゆえにここでの南十字星は一晩中出ている訳ではないのです。 そこで「南十字星が見たい!」という方にぜひご紹介したいのがこちらのサイト。
このサイトでは指定した日時の指定した場所での星空を星座早見版のように表示してくれます。 メニューの「星座・恒星」から「半円プラネタリウム」を選んで、観測地域は一番近い「クアラルンプール」を選択。こちらに来られる時期、適当な時間を入力、方角は「南」、あとは星座名の表示などお好みで選んで[OK]をクリックすると、その時間のマレーシアの南の星空が表示されます。実際はクアラルンプールとは緯度経度違いますからかなりずれは有りますが、だいたいの位置や観察しやすい時間帯を調べる目安になります。
もし表示された星空に南十字星が載っていなかったら?? それはその時間には水平線より下に隠れていて出ていない、ということです。星座の位置は刻一刻動いてますから、試しに深夜や明け方など別の時間を試してみてください。
ちなみに今の時期ですと日が暮れたばかりの7時ごろからが見つけやすい時間帯。逆に12月頃ですと明け方にならないと見えません。 なので、事前にこのサイトで来られる時期の南十字星の時間帯、位置を確認しておいて、探す手がかりにしてみると便利ですよ。その際、南十字のすぐ隣にあるケンタウルス座の足の二つの明るい星(リギル、ハダル)との位置関係も覚えておいてくださいね。この二つ並んだ明るい星が南十字星を探す上で一番の目印になります。