GST(Goods & Service Tax)導入!
日本も再来年から消費税10%への増税が決まったようですが、ここマレーシアでもついに今日から日本の消費税に相当する「物品&サービス税(GST)」が導入されました。これまでスーパーなどで売られている商品に消費税は一切かからなかったのに、いきなり6%、これは大きいです。
ただ今回導入されるこのGST、非課税の分野もあったり、生活必需品は0%になる軽減税率があったり、お店の規模によっては課税されなかったりと非常に複雑。
あまりに複雑すぎて、周りのマレーシア人たちも何に税金がかかって何はかからないのかなど全く把握できないまま導入を迎えた本日。実際の街のお店はいったいどんな状況になっているのでしょうか??
コタキナバル、GST導入ビフォー&アフター
今日一日いろいろなお店を見てきましたが、GSTを内税にするのか外税にするのかなどお店によって扱いがまちまちでした。めぼしいお店を例にとってGST導入後の変化を紹介します。
■スーパーマーケット(Giant/CKSなど)
スーパーはどこも内税表示になっていました。つまり課税商品にのみGSTの6%がすでに上乗せされた税込み価格で値札表示されています。なので持ち金でぴったり買ったつもりがレジで消費税かかってお金が足りない!なんて心配はありません。特に違和感なくこれまで通り買い物できそうです。
■ドラッグストア(Gardian)
ドラッグストアもスーパーと同様に税込み価格表示になってました。Gardianではメンバーカードを提示すれば4月中は6%割引というGSTを逆手にとった顧客アピールも。
■ブランド衣料
ナイキはすでに全品税込価格の値札がつけられていました。大手小売業はさすがに対応が早い。
■ダイソー
日本の100円ショップダイソー。マレーシアではこれまで5リンギ均一でした。3月に入ってもGST対応がどうなるのか店員さんすら把握していなかったダイソーですが、3月24日付でGST導入後は税込み5.30リンギ均一になる旨の通達が貼り出されました。結局日本のダイソーと同じやり方ですね。しかし、ただでさえ円安な現在のレートだとRM5.30=約170円。ダイソーなのに170円!!(涙)
■ケンタッキーフライドチキン
レジシステムアップグレードのため本日閉店。「それって導入前にやっとくことでは…」というのは日本人的感覚です。
■マクドナルド
おなじみ「ダブルチーズバーガーセット」ですが、レシートをみると6%は内税としてセットの価格に含まれているのがわかります。そしてなんと!これまで徴収されていた10%のサービスチャージが廃止になっていました。つまりこれは実質的な値下がり?(元の値段の変化まではチェックできてないので、サービスチャージ分がこっそり料金に上乗せされてる可能性も捨てきれませんが…)
車もGSTが導入されたら6%高くなると言われていましたが、マレーシア国産車の場合はこれまで課せられていた「売上げ&サービス税」の10%が代わりに廃止になることで逆に値下がりするそうです。限定的ではありますが、これまでより安くなるものもあるみたい。
■屋台、食堂
課税義務があるのは年商RM500,000(約1千600万円)以上のお店や会社なので、それ以下の個人経営の屋台などではGSTは徴収しないところがほとんどです。ただ料理に使う加工食品や調味料などは課税されて値上がりしているので、付随的な値上げは今後避けられないでしょう。小さな店舗でも任意で課税者登録してGSTを徴収することは可能なのですが、課税者登録している店舗はレシートにGST ID No.(またはGST Reg. No.) という登録番号の記載が義務づけられています。レシートも出さない店なのに6%を加算されたら疑った方がいいかも。
■ホテル
ホテルの宿泊やホテル内のレストランではこれまでも料金に10%のサービス料と、6%の政府税が課せられていました。その政府税が同じく6%のGSTに置き換わるので一見料金には違いがないように見えますが、これまでの政府税6%はサービス料には課税されず、課税対象は元の料金のみ。それが今回導入されたGSTではサービス料にも6%が課税されるんです。
つまり、これまで例えばホテルに泊まってかかった料金の総額がRM1000だとすると RM1000×16%=RM1160 の請求だったのが、
これからは(RM1000×10%)×6%=RM1166 と微妙に高くなります。
Agodaなどのホテル予約サイトでコタキナバルのホテルを見たら、すでに新しい課税方式で計算されるようになっていました。
TRS(Tourist Refund Scheme)とは?
政府発表によるとTRS(Tourist Refund Scheme)という名の外国人観光客免税制度があるとのこと。外国人は一定条件を満たして空港の払い戻しカウンターで申請すれば、消費税分が空港で返金される仕組みになっているそうで、コタキナバル空港にもその対応カウンターが出来るらしいのですが、その条件の中には、
・酒類、タバコ、宝石、貴金属、およびマレーシア国内で消費される物品やサービスにかかる消費税は返金対象外。
・TRS登録販売店(一店舗内)でRM300以上の購入。TRS登録販売店で領収書や申請用紙を発行してもらい空港で手続き。
といった項目があります。
そもそも酒、タバコ、ジュエリー除いたら、ブランドものが特に安くなく種類も少ないコタキナバルではRM300以上も一店舗で買う機会ってあまりなさそうだし、それ以前に本日現在、コタキナバルにはこのTRS登録販売店というのが一軒もないっぽいです。消費税還付ならまずは大手百貨店かなと思ってParksonのカスタマーサービスに聞いてみたけれど「そういったサービスはやってません」と一蹴。そのうち対応店舗も出てくるのかもしれませんが、このTRSという還付制度はコタキナバルではまだ機能していないと思った方が良さそうです。
以上、GST導入初日の状況ですが、まだまだ売り手も消費者も混乱中という感じなので、制度として落ち着くまでにころころ変わっていく部分もあるかもしれません。いずれにせよ、こちらの物価の上昇傾向はまだまだ続きそうです。
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追記)2015年10月、Parksonで外国人旅行者への消費税還付サービスが始まりました。詳しくは各店舗のカスタマーサービスカウンターでご確認ください。↓